飛行機を使っての輪行は初体験である。
BROMPTONを畳み、大型のトートバッグに収める。
折り畳み部分のパーツとバックミラーを外し、サドルカバーと上面保護のカバーを掛けて完了。
本人はロールアップバッグを担いで機上の人に。
ところで飛行機乗り込みの際、持ち込み品検査でツールボックスが引っ掛かった。
「アレ?変なもの入れてない筈なんだけどなぁ?」
と中を開けてペーパータオルに巻いたモノを広げてみたら13mmのショートスパナが出て来た。
げ!ここには樹脂製のタイヤレバーを入れてたはず!
長さを測られて持ち込み可能となったけど、んじゃぁタイヤレバー無しやんけ。
いや、BROMPTONのフレームツールキットにタイヤレバーは付いているのだけど。
やっぱり使い慣れたレバーじゃないとねぇ。
これ以降、頭の片隅にタイヤレバー無しがこびり付いてしまい、どうにも不安なスタートとなった。
以前、青森で絶賛パンク祭りに遭った事もありまさかまさかと思っちゃうのだ。
あの時はコジャック、今回はマラソンだから耐パンク性は上がってるのだけど・・・。
自転車からしたらスーパーチート級のジャンプ手段。
見下ろす高速道路上の点の様な車両を見ていると、あそこで煽った煽られたなんて些細な事よのぅと思える。
ここからならね (笑)。
朝晩はストーブが必要な自宅から、正味5時間で石垣島に到着。
機内を出た瞬間「もわっ」と絡んでくる空気に、南国に来たんだなぁと実感する。
従価料金で依頼したBROMPTONはベルトコンベアには乗らず、手持ちで受け渡しであった。
出入り口を出て、更に気温の上がった空気を感じつつBROMPTONを展開。
隣接する沖縄ヤマト運輸 石垣空港センターさんで、センター留めしておいたサドルバッグを受け取る。
これにてBROMPTONはフル装備に。
因みに、手荷物検査時のロールアップバッグの重量は約10kg。
サドルバッグには2.5kgのテントにプラスアルファで約3kg。
正直想い、じゃなくて重い。
この時点で野営時に必要な燃料・調理ナイフ等の装備が無いので、今日はビジホに投宿する。
R390の交差点を石垣市街方面へ。
子豚売っとる!
しかも売れとる!
確かに暑いんだけど、日陰に入ると爽やか。
天然のクーラーとかではなく、陽に当たらない事の爽やかさを感じる。
コレは今まで余り感じたことの無い感覚。
とにかく見るモノやたら新鮮で、しばしば立ち止まってはスマホ撮影しながらの進行。
あー、泡盛ね!
この画像を知り合いに送ったら
「泡盛無料試飲とか神じゃねーか!」
と盛り上がっていた。
小一時間程走って石垣市街地へ入る。
入ってしまえばごく普通な小さめの市街地感。
地元でもお馴染みのチェーン店の看板が立ち並ぶ。
石垣港付近をブラブラした後、本日の宿「東横INN石垣島」さんへチェックイン。
ちょっと散歩がてら食事と買い出しをしよう。
徒歩でフェリー乗り場など確認しながら散歩した。
喉が渇いたので自販機でジュースを飲んだものの、全く缶捨てボックスがない事に気付いた。
空き缶持って歩き回ったけど、コレがまた全く見当たらない。
みんな何処に捨ててるの?
ファミマを発見したので入ったけど、まさかの店内もゴミ箱無し。
店員さんに事情を説明したら「処分しておきます」と受け取ってくれた。有難い!
さて、八重島ソバかソーキソバでも喰おうかな?
「ソーキソバ・八重島ソバ」のノボリの立っているイカにもな外観の店に入ってみる。
ウシシ「孤独のグルメ」ごっこでもしてみようかねぇ。
店内に入ると客は女性客二人組のみ。
「こんにちわー、一人ですけどぉ」
「あー、一人ならソコかソコ、あとアッチに座って」
と指示を受ける。
時間的にまだ混み合う頃合いではないのか、店主ワンオペで回してる模様。
取り合えず指示された席に座る。
ソーキソバとマンゴーサワーをオーダー。
壁には来店した客のモノと思われる名刺がビッシリとピン留めされている。
何故に名刺?こういうの個人情報的に悪用とかされないの?と馬鹿正直に悩む。
いやまて、これはいわば雑然感を出して「ウチ流行ってます」アピールか?
「ふぅーん」をそれらを眺めていたらマンゴーサワーが出て来た。
いやぁ、いきなり暑いトコに来て喉乾いちゃったねぇ~。
「自家製麺です」と出されたソーキソバを頂く。
が、
うーん、麺はコソコソした感じというか、モソモソしてるというか。
麺を噛んでも「プチッ」ではなく「ボチッ」という食感。
ツルツルした麺に慣れた山形県民には正直「生煮え」の麺に感じる。
なのでスープも麺に絡まない。
すまん、麺は好みではないわ。
豚肉は柔らかくて旨かった。
しかしこのマンゴーサワーも「ホントにアルコール入ってんの?」という位にジュースであった。
う~む、と思いながら1,500円を支払って退散。
さっきペットボトルの処分を受けてくれた、ファミマ(石垣730記念碑前店)で買い出ししてホテルに戻る。
シャワーを浴びて呑み直し。
友人から「オリオンビール?普通のビールだぞ?」と言われてはいたが、夏気温バリバリの地なら冷えたビールが旨いに決まってる。
ローカルTV局のお天気お姉さんも
「今日は暑かったですねぇ~、この気温いつまで続くのか、天気図を見てみましょう」
という程に暑かったようだ。
まぁ、そんなこんなで【みなみのしま編】初日の夜は・・・意外に早く就寝するのであった。
明けて4月13日。
05:30起床。
まだ日が出てない事に、大きく西方へ移動したんだなぁと実感。
与那国島へのチケットが当日販売のみなので事前購入する必要もなく、金曜日まで放置決定。
今日明日は石垣島での自由散策日となる。
週間天気予報はどうも芳しくないのだが、今日は米原キャンプ場で野営予定。
ゆっくりとバイキングの朝食を摂ってから07:00に出発。
730記念碑
島を一周といえば時計回りね。
左手に海を見ながら走れば迷う事もあるまいよー。
それにしても、です。
こう、やはり建物の様式とか違うもんだねぇ。
ふむふむ。
街路樹も異国(日本だっつーの)の香りが。
なーんて思いながら県道79号を進む。
県道211号の分岐を過ぎた辺りで雲行きが怪しくなって来た。
そういや週間予報も芳しくなかったしなぁ。
名蔵大橋。
を過ぎた辺りで小雨のような霧雨が舞って来た。
気温も高いし、路面がウエットになるまではレインウェアは着なくても良かろうね。
と思ってたら川平湾の辺りで本降りウエット路面になる。
仕方なくレインウェアの上だけ着込んで進む。
この辺の住宅。洋風南国っぽい玄関先は、こんな雨の時でも洒落て見えるなぁ。
って事で米原キャンプ場の看板発見。
時間が早いけど場所だけ確認と、なんなら受付済ませても良いかな?なんて思いながら左折。
しばし直進するも行き止まり。
住宅街をグルッと一周して元の場所に出た。
「あれぇ?ここで良いんだよなぁ?」
気になって行き止まりのゲートに近づくと・・・。
なんてこったい。休止してるじゃねーか。
思わず「えーっ?」と声が出る。
すると、遠巻きに見ていたオジサン(多分近所の人)が「キャンプしに来たのかい?」と話しかけて来た。
話を聞くと、どうもここに長期滞在していたキャンパーと揉めた様で、オジサンはあーゆーのはもう懲り懲りといった感じであった。
閉鎖後も無断で入る者が居た様で、ガッチリとゲートで閉じているのだそう。
「そうなんですかー、じゃ、もう一か所のキャンプ場に行ってみます」
「伊野田ね、あそこは安全だよ、管理もしっかりしてる。ここからちょっと遠いけど」
思いがけない展開だけど、仕方なし。
結局、長期キャンパーだの渡りキャンパーだのと言っても、世間から見たらホームレスだしね。
自由と自分勝手をはき違えると、こうやって居場所を失うんだろうな。
と思いつつ伊野田キャンプ場を目指す。
桴海で県道87号にシフト。
於茂登トンネル手前でレインウェアを脱ぐ。
底原ダムで休憩。
ついでに伊野田キャンプ場へ電話してみる。
管理人さんに予約の旨を伝えて一安心。
一安心ではあるけど、実は航空機輪行の関係で火器の燃料やナイフを持っていない。
ナイフは良いとしてアルコールバーナーの燃料が無いと話にならないので、逆方向になるけど一度R390に出たところで石垣市街地方面へ。
お昼近くになり、ようやくドラッグストアで無事燃料を仕入れ北上再開。
管理人さんの話では、キャンプ場付近には雑貨店はあるけど食材等は町中で仕入れてきた方が良いとの事であったので。
白保で見かけたいかにもな地元スーパー「マエザト商店」でお買い物。
と言ってもごま油はレギュラーサイズしか無いので炒め物は諦めて、お湯で何とかなる物に留めておく。
あとオリオンビールと泡盛の小瓶。
輪行時に使ったトートバッグに入れて、バッグの余分部で丁寧にロールしてリアキャリアに。
いざ伊野田キャンプ場へ。
この頃になると午前の雨はどこへやら。
ピーカンの青空で気分がいい。というか暑い。
ところでBROMPTONのリアキャリアだけども、何も考えずに荷物を載せるとペダリング時にカカトと荷物が干渉する事が良くある。
こんな時はひと手間かけて、ショックコードを取り回す。
この位まで下がっていれば干渉する事も無い。
あと、瓶入りの泡盛を積んでいるので極力ギャップを越えないように。
時間も有るし、ゆっくりでイイさ~、と進む。
石垣空港を過ぎた辺りからツーリングしているという、なんとも良い雰囲気で進める。
天気良くなったしね。
緩やかなアップダウンを数回超えて、13:30過ぎには伊野田キャンプ場へ到着した。
はい、今日は走行オシマイ。
受付を済ませて、フリーサイトに設営。
もう南国の雰囲気がビシバシ。
そういやキャンプ場手前に共同売店なるものが有ったので、設営後にちょっと覗きに行く。
アレ、思ったより充実した品揃えだ。
スーパーやコンビニと比べたらそりゃショボいんだけど、必要にして十分。
炒め物系を作れない今回のツーリングなら過不足無い品揃えだ。
当然、ビールも冷えてます。
ありゃ~、ここで買った方が良かったなぁ。
芝地では無いのでシートを敷いて、そこに腰を据えたけど、やっぱり椅子かウレタンマットが欲しいトコロ。
流し、トイレは丁度おばちゃんが清掃中。
定期的に清掃してくれているようなので気持ち良く利用できた。
サイトからは眺められないけど、裏手は直ぐ海。
あとはビール飲んで、ラジオ聴いてのんびりと過ごした。
(4月14日)
朝日を拝んでから08:00出発。
今日は石垣島北部を走るのだ。
昨日の延長でR390を北上。
玉取崎展望台に立ち寄ってみる。
天気も良いので、景色の見栄えも抜群だ。
自販機のラインナップも
とにかく汗かいちゃうので、常に2本は所有するようにしておく。
ハンドルポーチに丁度2本収まるのです。
暫く進むとR390は終わり、ここから県道206号となる。
この辺からちょっと雲が出て来た。
10:00平久保崎。
南端に近い島の最北端。
道中テキサスゲートが2か所有り。
草が見えるからって乗ったまま突っ込むと、ファットバイク以外は間違いなく転ぶので要注意。
ココまでの路は海岸線という訳では無く、細々とアップダウンするので少々退屈。
ロードバイクなら気持ち良く走れるんだろうけど、重量の嵩んでいる小径車だとなかなかテンポが悪くて。
急いでる訳じゃないのだけどねぇ。
折り返して、どうにも脚が重くなって来た。
昨日頑張り過ぎたかね?
加えて自販機も見当たらず、補給水の残量も怪しくなって来た。
考えてみたら補給食の手持ちが無い。
ちょっとマズイなと思いつつ進むと、珍しい事に缶ゴミ箱のある自販機を発見。
野菜の産直場みたいな所。
掃除をしているオバサンに「パンとか売ってます?」と聞くと、ここから集落へ入った所に共同売店があるとの事をバリバリの沖縄弁で言われた。
うん、言葉は通じなくても意味は分かった(通じとるがな)
明石共同売店でパンを補給しベンチに腰を下ろして休憩。
自販機で買ったスポーツドリンクも一気飲み。
実は伊野田キャンプ場に今日も連泊する予定だったのだが、フェリーターミナルの有る石垣港迄の距離と、明日予定の与那国島行きのフェリー時間等を勘案して、ターミナル近くのビジホ泊にした方が良かろうという事で予定変更。
キャンプ場へ連泊キャンセルの連絡と、ビジホの予約も済ませる。
よし、あとは石垣港までノンビリ走れば本日のミッションは完了だ。
昼過ぎには石垣港周辺着。
チェックインまで、コインランドリーでジャージとクォーターパンツを洗濯したりして時間を潰す。
実はホテルにもランドリーは有ったんだけど、この時は気付いていなかった。
ホテルのロビーにはダンボールに梱包された自転車の箱が数個置かれていた。
あぁ、17日は石垣島トライアスロンだっけ。
この日は規制や混雑するだろうから石垣島からは離れないとなぁ。
チェックインして直ぐにシャワー。
さっき洗えなかったアンダーウェアを水で手洗いして干しておく。
近所のファミマで買い出し。
このゴーヤチャンプルー丼旨い。
(4月15日)
前日から危ないなぁと思ってはいたけど、与那国島行きのフェリーは欠航。
次の運航は来週火曜日。
波照間島行きのフェリーも朝便以降は欠航であった。
でも今日乗れたとしても、民宿の予約は21日に入れてあるので変更可能なものかどうか?それも天候次第。
フェリー移動メインのプランはナカナカに変更対応が悩ましい。
この日は結局ホテルに連泊停滞。
さてさてこの先どうなる事やら?